参議院選挙を振り返って「遊説隊長・年金・多国籍軍・憲法・民主党50議席獲得」
(平成16年7月16日)

 参議院選挙期間中、しばらく、活動日誌の配信を休止していましたが、本日より再開します。参議院選挙が終わり、 1 週間がたち、改めて振り返ってみたい。
 6 月 24 日から 17 日間の参議院選挙が繰り広げられた。選挙期間中、 13 日間、神門至遊説隊の遊説隊長を任された。(正直、疲れました)
  今回の参議院選挙の最大の争点はやはり、年金問題と自衛隊の多国籍軍参加問題であったことは選挙結果からも見て取れます。特に年金問題に関して言えば、小泉総理の国会での「人生色々、会社も色々、社員も色々」という発言が国民の反発を買ったのは事実だろう。また、小泉自公政権が強行採決した年金改革法は、今後 14 年間、毎年、年金の掛け金が約一万円上がり続ける一方、給付は年々下がるという改正内容であり、経営者もサラリーマンも怒りの意思表示をした結果だと思います。
(今の時代、給料が毎年、 1 万円も上がらない中、年金の掛け金の負担が増えれば、ますます、サラリーマンの可処分所得が減ります。会社も事業主折半の負担が増えれば、経営を圧迫し、景気は今よりも一段と悪くなるのは目に見えています)

  自衛隊のイラクへの多国籍軍参加問題は、あまりにも小泉総理の国民に対する説明不足と国会・国民軽視の参加決定ではなかったのか。
  個人的には、自衛隊の多国籍軍参加に関しては、日本国憲法の拡大解釈(解釈改憲)で自衛隊を参加させるのではなく、集団的自衛権の行使の国内的統一を図り、武器使用制限の見直しをしてから参加を決定するべきだと思いました。そうしなければ、派遣された自衛官が可哀相です。折しも、今年は自衛隊創設 50 周年の記念の年でもあります。
  ジャナリーストの櫻井よし子氏が 7 月 1 日号の週刊新潮で「多国籍軍参加の是非」として以下のように書いています。
  「多国籍軍に自衛隊を参加させることは日本の国策のまさに大きな転換である。そこまで踏み込むならば、集団的自衛権を認める方向で政治判断し、憲法9条を見直すことが必要だ。(中略)旧社会党は旧ソ連や北朝鮮や中国によい顔をみせ、日本に戻ると奇妙な理屈でごまかした。小泉首相は今、かっての社会党と同じことを米国向けに行っているにすぎない。米国によい顔をして、日本国内で言い繕っているのだ。そんなごまかしと騙しのなかで多国籍軍に組み入れられるのでは自衛官が可哀相である。また、それは国民への背信である。」(私も同感です)

  今回の参議院選挙でも結局は「憲法問題」が選挙の争点とはならなかった。本来、いい加減、「何でも反対」の社会党(現在の社民党)は崩壊寸前であり、自民党と民主党との間で憲法問題について、真剣に選挙戦の中で論戦をして欲しかった。今回の参議院選挙で当選した議員の8割が憲法改正に賛成という調査結果も出ており、日本国民にとってプラスになる憲法改正を行う責任が今の政治に求められていると私は思います。

  今回の選挙は民主党 50 議席、自民党 49 議席という、民主党が自民党を1議席上回る結果で終わった。得票数で見れば、選挙区選挙で民主党は2193万票、自民党は1969万票を獲得。比例代表選挙では民主党は2114万票、自民党は1680万票を獲得した。昨年 11 月の衆議院の総選挙では民主党は比例代表では第 1 党になったが、今回は比例代表 に加えて、選挙区選挙でも得票数で第 1 党になった。
  細かく各選挙区を見てみれば、定数 1 の選挙区で自民党が民主党になんとか競り勝ったが、公明党(創価学会)の票がなければ自民党の候補者が勝てなかった選挙区が多数あった。自民党は今や公明党の支援がなければ、選挙を戦う体力がないことを今回の選挙で完全に証明してしまった。いっそのこと、自民党と公明党は合併して、自公党を結成した方が国民にもわかり易いかもしれない。
(しかし憲法改正、教育基本法改正問題で自民党と公明党はまとまることができるのかな?)
  一方、民主党は選挙期間中、保守層の地盤の切り崩しに小沢一郎前代表代行を中心に展開をした。昨年の総選挙で当選した民主党の新人議員 57 人の大半が保守系であったが、今回の選挙でも保守層を意識した運動を展開してきた。(今回も大半は保守系の人が当選した)民主党は平成 18 年にまとめる憲法改正案に「9条改正」を打ち出すことも決定した。
  また参議院選挙のマニフェストに私が盛り込むように再三、要請していた領土問題が加えられた。以下、抜粋
「領土問題に関連して、領土主権回復の象徴である北方領土問題の早期解決へ取り組むとともに、尖閣諸島・竹島を含む我が国領土・領海、排他的経済水域を守る対策を進めます。」

  島根県の選挙結果に目を転ずれば、青木幹雄自民党参議院幹事長(選挙期間中、一度も島根に帰らず)に神門至氏が民主党から出馬し戦った。結果は青木幹雄氏25万4704票、神門至氏12万4403票。
  小泉政権の三位一体の改革がこのまま続けば、島根をはじめとして地方は置き去り、取り残されることになるにもかかわらず、島根県民の投票結果はご覧の通りとなった。今回の選挙は島根を除けば、今までの自民党支持者が地方で氾濫を起こした結果が民主党の勝利に繋がったと思います。(民主党はけっして、公共事業を否定していません。島根県の社会資本整備の予算にしても、無駄なものはカットしますが、本当に必要な社会資本整備は積極的に推進していきます。まさに選択と集中の整備を行っていきます)

最後に次の衆議院の総選挙が民主党にとって、政権交代をかけた本当の天下分け目の選挙になります。政権を目指す上で、民主党はしっかりとした国家観・歴史観(東京裁判史観の払拭)を持ち、特に国民の生命と国土を守る安全保障政策だけは「ブレナイ」政策を打ち出して欲しい。

 


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